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杉山の体験

12歳で第5腰椎分離症になった私が、20年かけて分かった「骨」と「痛み」の関係

公開 2026.09.18更新 2026.10.04約5分で読めます

机の上に置かれた背骨の模型

この記事の要点

私の経験
12歳のとき、サッカーをしていて、腰の骨が疲労骨折で離れる「第5腰椎分離症」と診断されました。骨折から20年、自分の身体と向き合ってきました。
分かったこと
骨は離れたままなのに、痛い日と痛くない日がある。痛みを左右していたのは骨そのものより、腰を守ろうとする筋肉の緊張や、股関節・胸まわりの動きの硬さでした。
今できること
腰そのものより、股関節と胸まわりの動き、お腹の奥の支えを取り戻すこと。自宅では、腰を反らさない姿勢での呼吸から始められます。

1. 12歳で、腰の骨が折れた

12歳のとき、サッカーをしていて、「第5腰椎分離症(だいごようついぶんりしょう)」と診断されました。背骨のいちばん下にある腰の骨の一部が、疲労骨折で離れてしまう状態です。

分離症は、成長期にスポーツで腰をひねったり反らしたりすることが多い子どもに起こりやすいといわれています。

2. 骨は離れたままなのに、痛くない日がある

骨折から20年、私は自分の腰と向き合ってきました。

転機になったのは、カイロプラクティックを学ぶために入った東京カレッジ・オブ・カイロプラクティックでの4年間です。解剖学や神経学、生体力学を学ぶうちに、ずっと不思議に思っていたことに説明がつき始めました。

レントゲンで見れば、私の骨は今も離れたまま。それなのに、痛い日もあれば、まったく気にならない日もある。

もし痛みが骨そのものから来ているなら、骨が離れている限り、いつも同じように痛むはずです。そうならないのは、痛みを左右しているものが、骨のほかにもあるからでした。

画像に写る形と、感じる痛みは、いつも一致するわけではありません。これは今、施術でお客様の身体を見るときに、私がいちばん大切にしている考え方です。

3. 腰に負担が集まる理由

腰は「ひねる」のが得意ではない

腰の骨(腰椎)は、前後に曲げ伸ばしする動きは得意ですが、ひねる動きは一つひとつの関節でわずかしかできません。体をひねる動きは、主に上にある胸の背骨(胸椎)と、下にある股関節が受け持っています。

ところが、股関節が硬くなったり、胸まわりが丸まって動きにくくなったりすると、ひねる・反らす動きのしわ寄せが、いちばん下の腰に集まります。成長期に同じ動きをくり返すと、腰の骨に負担が重なり、分離症につながることがあると考えられています。

股関節と胸まわりの動きが硬いと、いちばん下の腰の骨に負担が集まることを示した図
股関節と胸まわりの動きが硬くなると、いちばん下の腰の骨(第5腰椎)に負担が集まりやすくなる(イメージ図)

痛みには、「守ろうとする緊張」が関わる

骨が離れている部分は、まわりの靭帯などの支えが弱くなりがちです。すると身体は、その場所を守ろうとして、まわりの筋肉を固くします。

私が感じてきた腰の重さにも、この守ろうとする緊張が関わっていたと、今は考えています。

4. 分離症と言われた方に、避けてほしいこと

良かれと思ったケアで、かえってつらくなる方もいます。次のことは避けてください。

  • 腰を強く反らすストレッチ:離れている部分に負担がかかることがあります。
  • 痛む腰を強く揉む:守るために固まっている筋肉が、かえって固くなることがあります。
  • 反動をつけた腹筋運動:腰を反らす力が強くかかりやすい運動です。

5. Rooton で大切にしていること

離れた骨を元に戻すことは、施術ではできません。Rooton で目指すのは、「骨は離れたままでも、腰に負担が集まりにくい身体」です。内容は検査の結果で変わりますが、分離症の方には主に次のことを行います。

  1. 股関節とお腹の前側をゆるめる:腰を前へ引っ張る緊張を、呼吸に合わせてやさしくゆるめます。
  2. 胸まわりの動きを取り戻す:胸の背骨と肋骨が動くようにして、腰がひねりを肩代わりしないようにします。
  3. お腹の奥の支えを取り戻す:呼吸に合わせて、お腹の深い筋肉(腹横筋など)を働かせる練習をします。
  4. 刺激は控えめに:痛みへの警戒が強い方には、アクティベータ器など、小さな刺激の器具も使います。
股関節とお腹の前側をゆるめ、お腹の奥の支えを取り戻す流れを示した図
股関節とお腹の前側をゆるめ、お腹の奥の支えを取り戻す(イメージ図)

6. 自宅でできる、腰を反らさない呼吸

セルフケア(1分)

1. 仰向けになり、椅子やソファの座面にふくらはぎを乗せます(股関節とひざが直角になるくらい)。
2. 腰の反りが自然にゆるみ、腰の骨への負担が少ない姿勢になります。
3. 両手を下腹に当て、鼻からゆっくり吸ってお腹をふくらませ、口から長く吐きます。これを1分ほど続けます。
※痛みやしびれが強くなるときは中止してください。

7. 画像の結果で、落ち込んでいる方へ

画像で骨の変化を指摘されて、好きなことをあきらめかけている方もいると思います。

私の骨も、今も離れたままです。それでも、骨折から20年、長い時間をかけて身体と向き合ってきたからこそ分かることがあります。骨の形は変えられなくても、骨に負担を集めている身体の使い方は、変えていけます。

※画像の評価や、手術が必要かどうかは、必ず主治医にご相談ください。この記事は私自身の経験と一般的な考え方をまとめたもので、同じ経過になることをお約束するものではありません。

杉山 慶彦

この記事を書いた人

杉山 慶彦Yoshihiko Sugiyama, D.C.

WHO基準カイロプラクター。東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧RMIT大学カイロプラクティック学科日本校)卒業。JCR認定登録カイロプラクター(第2種)。臨床10年。12歳で第5腰椎分離症になり、骨折から20年、自分の身体と向き合ってきました。施術場所は、ACカイロプラクティック中目黒です。

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