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首肩こり・しびれ

デスクワークのストレートネック。首肩こり・腕のしびれを「首だけ」で考えない理由と、仕事の合間にできるケア

公開 2026.09.25更新 2026.10.04約7分で読めます

座った方の首と肩の状態を、後ろから確かめている様子

この記事の要点

ストレートネックとは
レントゲンで、首の骨の自然な前へのカーブが少ない状態を表す言葉です。病名ではなく、首のカーブの形だけで痛みの強さが決まるわけではありません。
負担が集まる仕組み
画面をのぞき込む姿勢が続くと頭が前に出て、首の後ろと肩が支え続けます。胸やお腹など、体の前側の緊張が、その姿勢を固定しやすくします。
腕のしびれがあるとき
原因になりうる場所はいくつもあります。力が入りにくい、両手がしびれるなどの場合は、まず医療機関で確かめてください。

1.「ストレートネック」は、病名ではありません

首の骨(頚椎)は7つあり、横から見ると、前へゆるやかにカーブしています。このカーブが、成人で約5kgある頭の重さを、しなやかに受け止めています。

レントゲンでこのカーブが少なく、まっすぐに近い状態を「ストレートネック」と呼ぶことがあります。正式な病名ではなく、画像に写った首の形を表す言葉です。

知っておいていただきたいのは、首のカーブの形と痛みの強さは、いつも一致するわけではないということです。45歳以上の約100人を、首の痛みがある人とない人に分けてレントゲンを比べた研究では、首のカーブに目立った違いは見られなかったと報告されています(※1。反対の見方もあり、研究は続いています)。

私自身、12歳で腰の骨が折れ(第5腰椎分離症)、「画像に写る形」と「感じる痛み」が一致しない経験を重ねてきました。レントゲンの形だけを見て、落ち込む必要はありません。見ていきたいのは、いまその首に、どんな負担がかかり続けているかです。

2. こんなご相談を、よくいただきます

デスクワークの方から、特によく伺うお話です(何人もの方のお話をまとめています)。

  • 「夕方になると、首の付け根から肩甲骨の内側が重くなる」
  • 「マウスを持つ手や腕が、ピリピリしびれることがある」
  • 「整形外科でストレートネック気味と言われ、湿布と痛み止めで様子を見ている」
  • 「マッサージの直後は楽だけれど、翌朝には戻っている」

施術で拝見していると、こうした方の多くに、痛む首や肩のほかに、胸やお腹など体の前側の緊張と、浅い呼吸が見られます。次の章で、その仕組みをお話しします。

3. デスクワークで、首に負担が集まる仕組み

頭が前に出るほど、首の後ろは働き続ける

ある計算モデルの研究では、頭がまっすぐなときに約5kgだった首への負担が、頭を15度前に倒すと約12kg、30度で約18kg、60度では約27kgに相当すると推定されています(※2)。ノートパソコンやスマートフォンをのぞき込む姿勢は、この角度になりやすいものです。

首の後ろや肩の筋肉は、前に倒れようとする頭を、後ろから支え続けます。夕方になるほど首の付け根や肩甲骨の内側が重くなるのは、この「支え続ける仕事」が一日の中で積み重なるためと考えられます。

頭の傾きと首への負担シミュレーター Hansraj, 2014 推定モデル

0° 正常な首:首は前へゆるやかなカーブ。耳が肩の真上にあり、頭の重さを骨で受け止めます。首への負担は約5kg相当(頭の傾き約0°)

首の負担は、頭の傾きごとの推定(Hansraj, 2014)をもとにした目安(頭の傾きは、正常な首を 0° としたときの角度)。首の形と痛みの強さは、いつも一致するわけではありません。

前側の緊張が、姿勢を固定する

長い時間座って画面を見ていると、胸や腕、お腹など、体の前側が緊張した姿勢が続きます。前側が緊張すると、肩は前に巻き込まれ、胸は広がりにくくなり、頭は前に出たままになりがちです。

そのため、首や肩の後ろを揉んでその場は楽になっても、前側の緊張が残っていると、同じ姿勢に戻りやすくなります。Rooton が痛む首や肩だけでなく、体の前側から確かめるのはこのためです。

体の前側の筋肉のつながりを、首・胸からお腹・股関節にかけて示した解剖イメージ図
胸やお腹の緊張は、頭を前へ引き出す姿勢につながりやすい(イメージ図)

呼吸が浅くなると、首の前側も休めない

前かがみで胸が広がりにくいと、首まわりの筋肉が呼吸を手伝う割合が増えやすいといわれます。首の後ろは頭を支え、首の前は呼吸を手伝う。前後の両方が休めない状態が、こりや重さにつながることがあります。

4. 腕のしびれがあるとき

首肩こりに、腕や手のしびれが重なることがあります。しびれの原因は1つではなく、たとえば次のような場所が考えられます。

  • 首の骨の間から出る、神経の根元:椎間板や骨の変化によって、神経の根元が圧迫されることがあります。
  • 首の横から鎖骨の下にかけての、神経と血管の通り道:首の前側や胸の筋肉の緊張によって、通り道が狭くなることがあります(胸郭出口と呼ばれる場所です)。
  • 肘や手首など、腕の途中の通り道:首ではなく、腕の途中で神経が圧迫されていることもあります。

場所によって、必要な検査も対応も変わります。しびれがある場合は、まず医療機関で原因を確かめることをおすすめします。Rooton でも問診と検査で確かめ、医療機関での検査が必要と考えられるときは、受診をおすすめしています。

先に医療機関(整形外科など)へ行く目安

  • 手や腕に力が入りにくい、物をよく落とす
  • 箸を使う、ボタンをかける、字を書くなどの細かい動きがしにくい
  • 両手がしびれる、足にもしびれがある、歩きにくい
  • しびれや痛みが日ごとに強くなる、しびれる範囲が広がる
  • 転倒や事故のあとから症状が出た
  • 排尿・排便の異常、発熱、原因の分からない体重の減少がある
  • 急に片側の手足が動かしにくい、ろれつが回らない、胸の痛みや息苦しさがある場合は、すぐに救急車(119)を呼んでください

5. Rooton の施術の考え方

Rooton では、痛む首や肩だけを強く揉むことはしません。どこに負担が集まっているかを検査で確かめ、原因と考えられる場所から順に整えます。内容はお一人おひとりの検査の結果で変わりますが、デスクワークの首肩こりでは、たとえば次のような流れになります。

  1. 検査:姿勢、首と背中の動き、呼吸での胸の広がり、腕の神経の状態などを確かめます。
  2. 前側をゆるめる:胸や腕、お腹など、体の前側の緊張を、呼吸に合わせてやさしくゆるめます(Rooton では「3秒脱力」と呼んでいます)。
  3. 首と背中のつなぎ目を整える:首の付け根から背中の上のあたり(頚胸移行部)の関節の動きを整え、胸が広がりやすい状態を目指します。
  4. 肩甲骨の動きを取り戻す:巻き肩につながる胸の筋肉をゆるめ、肩甲骨が背中の上でなめらかに動くことを目指します。
  5. 前後で同じ検査:施術の前と後で同じ検査をして、変化を一緒に確かめます。
  6. セルフケアのお伝え:仕事の合間にできるケアを、お仕事や生活に合わせてお伝えします。
背骨の図を見せながら、検査の結果を説明している様子
施術の前後で同じ検査をして、結果をご説明します

6. 仕事の合間にできること

画面の位置と、休み方の目安

厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(※3)では、次のような目安が示されています。

  • 画面との距離は、おおむね40cm以上
  • 画面の上端は、目の高さとほぼ同じか、やや下
  • 続けて作業するのは1時間まで。次の作業までに10〜15分の休みをとり、作業の途中にも1〜2回の小休止を入れる

ノートパソコンを長く使うときは、台で画面を上げ、外付けのキーボードを使うと、頭が前に出にくくなります。

30秒の「お腹をゆるめる呼吸」

セルフケア

1. 椅子に浅めに座り、足の裏を床につけます。
2. おへその少し下に、両手を添えます。
3. 鼻からゆっくり息を吸い、お腹と脇腹がふくらむのを手で感じます。
4. 口から細く長く吐きながら、肩と首の力を抜きます。
5. これを3〜5回くり返します(30秒ほど)。
※しびれや痛みが強くなるときは中止し、ご相談ください。

前側の緊張がゆるむと、首に力を入れて頭を引き戻さなくても、姿勢を保ちやすくなることが期待できます。

7. 杉山から

「レントゲンでストレートネックと言われた」「検査では異常がないと言われたのに、つらさが続く」。そんな方は少なくありません。画像に写る形は大切な情報ですが、それだけで、いまのつらさのすべてが説明できるわけではありません。

なぜ首に負担が集まっているのかを検査で確かめ、日常のクセまで一緒に見直していく。それが、ぶり返しにくい身体づくりへの近道だと考えています。首や肩のつらさが続いている方は、一度ご相談ください。

参考にした資料

※1 Grob D, Frauenfelder H, Mannion AF. The association between cervical spine curvature and neck pain. Eur Spine J. 2007;16(5):669-678.(論文のページ ↗)
※2 Hansraj KK. Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head. Surg Technol Int. 2014;25:277-279.
※3 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(2019年策定)

杉山 慶彦

この記事を書いた人

杉山 慶彦Yoshihiko Sugiyama, D.C.

WHO基準カイロプラクター。東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧RMIT大学カイロプラクティック学科日本校)卒業。JCR認定登録カイロプラクター(第2種)。臨床10年。12歳で第5腰椎分離症になり、骨折から20年、自分の身体と向き合ってきました。施術場所は、ACカイロプラクティック中目黒です。

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