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腰痛

慢性腰痛の原因は?「異常なし」と言われた腰の重さを、腰だけで考えない理由

公開 2026.10.05約6分で読めます

うつぶせになった人の腰に、手を当てる施術者

この記事の要点

「異常なし」の腰痛は多い
腰痛の多くは、画像などで原因の場所をはっきり特定できない「非特異的腰痛」といわれます。痛みがあるのに「異常なし」と言われるのは、珍しいことではありません。
負担が集まる仕組み
座りっぱなしで、お腹の奥と股関節の前の筋肉が緊張したまま固まると、立ったときに腰が前へ引っぱられます。胸まわりや股関節が硬いと、動きのしわ寄せも腰に集まります。
先に医療機関へ
足のしびれや力の入りにくさ、おしっこや便の出方の変化、発熱、転んだあとからの痛みは、まず医療機関へ。

1. 「異常なし」でも、腰は痛い

腰痛は、厚生労働省の「国民生活基礎調査」で、男性の自覚症状のいちばん、女性でも肩こりに次いで多い悩みです(※1)。

そして腰痛の多く(およそ85%とする報告もあります)は、画像の検査などで原因の場所をはっきり特定できない「非特異的腰痛」といわれています(※2)。「レントゲンでは異常なし」と言われたのに痛い。それは、あなただけではありません。

病院の検査は、骨折や重い病気がないかを確かめる大切な一歩です。そのうえで見ていきたいのが、腰に負担を集めている「身体の使い方」です。

2. こんなご相談を、よくいただきます

施術でよく伺うお話です(何人もの方のお話をまとめています)。

  • 「座っていると、腰の奥が重だるくなる」
  • 「朝、起き上がるときに腰が伸びにくい」
  • 「湿布と痛み止めで様子を見ているが、くり返す」
  • 「腰をもんでもらうと楽になるが、すぐ戻る」

3. 腰に負担が集まる仕組み

お腹の奥と股関節の前が、腰を引っぱる

長く座っていると、股関節は曲がったままになり、お腹の奥から太ももの付け根をつなぐ筋肉(大腰筋など)が、緊張したまま固まりやすくなります。その状態で立ち上がると、腰は前へ引っぱられ、腰の後ろの筋肉が支え続けることになります。

胸と股関節が硬いと、しわ寄せは腰へ

体をひねったり反らしたりする動きは、本来、胸の背骨(胸椎)や股関節も分担しています。胸まわりや股関節が硬いと、その分の動きを腰が肩代わりし、負担が重なりやすくなります。

痛む腰は、守るために固まっている

負担が続く腰のまわりでは、筋肉が身を守るように固くなることがあります。痛む場所を強くもむと、その場は楽でも、守る力がかえって強まることもあります。

先に医療機関(整形外科など)へ行く目安

  • 足のしびれや、力の入りにくさがある
  • おしっこや便の出方に変化がある、お尻のまわりの感覚が鈍い(すぐに受診を)
  • 発熱がある、体重が急に減った、がんの治療中または治療歴がある
  • 転んだり、ぶつけたりしたあとから痛む
  • 安静にしていても痛む、夜も痛みで目が覚める

4. Rooton では、こう進めます

Rooton では、痛む腰だけを強くもむことはしません。腰に負担を集めている場所を検査で探し、そこから整えます(この進め方を「ルートンテクニック」と呼んでいます)。

  1. 検査:姿勢、前かがみ・反らす・ひねる動き、股関節と胸まわりの動き、足の神経の状態などを確かめます。
  2. 前側をゆるめる:お腹の奥と股関節の前の緊張を、息を吐くリズムに合わせてゆるめます。
  3. 関節を整える:胸の背骨、骨盤、股関節の動きを整え、腰が動きを肩代わりしにくい状態を目指します。
  4. 前後で同じ検査:施術の前と後で同じ検査をして、変化を一緒に確かめます。
  5. セルフケア:座り方・立ち上がり方など、毎日の動きをお伝えします。

5. 仕事の合間にできること

腰痛の診療ガイドラインでは、急な腰痛でも、安静にしすぎるより、できる範囲でふだんの活動を続けるほうがよいとされています(※3)。座りっぱなしを減らすことが、いちばんのケアになります。

セルフケア(1分):股関節の前をのばす

1. 椅子の横に立ち、背もたれに片手を添えます。
2. 片足を一歩うしろへ引き、両足のつま先を前に向けます。
3. 腰を反らさないように、お腹に軽く力を入れたまま、骨盤を少し前へ押し出します。
4. うしろの足の付け根の前がのびるのを感じながら、ゆっくり5回呼吸します。反対の足も同じように。
※痛みやしびれが出るときは、すぐにやめてください。

6. 杉山から

私自身、12歳で腰の骨が折れ(第5腰椎分離症)、骨折から20年、自分の腰と向き合ってきました。画像の結果と痛みは、いつも一致するわけではありません。腰に負担を集めている理由が分かると、毎日の過ごし方も変わります。くり返す腰の重さに悩んでいる方は、一度ご相談ください。

よくある質問

腰痛のときは、安静にしたほうがいいですか?

強い痛みや、医療機関へ行く目安にあたる症状がなければ、安静にしすぎるより、できる範囲で動くほうがよいとされています。ただし、痛みが強くなる動きは無理に続けないでください。

温めるのと冷やすの、どちらがいいですか?

くり返す腰の重さには、温めて楽になる方が多いです。ぶつけたあとや、急に強く痛み出した直後で熱っぽいときは、温めずに様子を見て、強い痛みは医療機関にご相談ください。

椎間板ヘルニアと言われていても、受けられますか?

はい。状態をうかがい、検査で確かめてから、無理のない方法を一緒に決めます。足のしびれや力の入りにくさが強いとき、治療中の方は、主治医にもご相談ください。

参考にした資料

※1 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」(有訴者の症状別の状況)
※2 Deyo RA, Weinstein JN. Low back pain. N Engl J Med. 2001;344(5):363-370.
※3 日本整形外科学会・日本腰痛学会 監修『腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)』南江堂

杉山 慶彦

この記事を書いた人

杉山 慶彦Yoshihiko Sugiyama, D.C.

WHO基準カイロプラクター。東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧RMIT大学カイロプラクティック学科日本校)卒業。JCR認定登録カイロプラクター(第2種)。臨床10年。12歳で第5腰椎分離症になり、骨折から20年、自分の身体と向き合ってきました。施術場所は、ACカイロプラクティック中目黒です。

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