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首肩こり

肩こりの原因は「肩」だけじゃない。もんでも戻る理由と、デスクワークの合間にできるケア

公開 2026.10.05約6分で読めます

椅子に座った人の首と肩を、後ろから確かめる施術者

この記事の要点

肩こりとは
首から肩、背中の上にかけての、張り・重さ・こわばりの感覚です。病名ではなく、多くの人が感じている「症状」の呼び名です。
もんでも戻る理由
肩の筋肉は、前に出た頭や、前へ巻き込まれた肩を、後ろから支え続けています。支えさせている原因(胸や腕の緊張、浅い呼吸)が残ると、ゆるめても戻りやすくなります。
先に医療機関へ
手のしびれや力の入りにくさ、これまでにない強い頭痛、胸の痛みをともなうときは、まず医療機関で確かめてください。

1. 肩こりは、とても多い悩みです

厚生労働省の「国民生活基礎調査」では、ふだん感じている体の不調(自覚症状)として、女性でいちばん多いのが肩こり、男性でも腰痛に次いで多いのが肩こりです(※1)。それだけ、多くの人が毎日つき合っている悩みだということです。

肩こりは病名ではなく、首から肩、背中の上にかけての張りや重さ、こわばりを表す言葉です。感じ方も、原因も、人によってさまざまです。

2. こんなご相談を、よくいただきます

施術でよく伺うお話です(何人もの方のお話をまとめています)。

  • 「マッサージに行くと楽になるけれど、次の日には戻っている」
  • 「夕方になると、肩が板のように固まる」
  • 「肩だけでなく、首の付け根や頭まで重くなる」
  • 「ストレッチをしても、すぐにこってしまう」

3. もんでも戻るのは、なぜ?

肩の筋肉(僧帽筋や肩甲挙筋など)は、こりを感じている「現場」です。けれど、その筋肉が張りつめているのは、多くの場合、何かを支え続けているからです。

頭が前に出るほど、首と肩は働き続ける

画面をのぞき込む姿勢では、頭が前に出ます。ある計算モデルの研究では、頭を15度前に倒すと首への負担は約12kg、30度で約18kg、60度では約27kgに相当すると推定されています(※2)。首と肩の後ろの筋肉は、この重さを一日中支えることになります。

頭の傾きと首への負担シミュレーター Hansraj, 2014 推定モデル

0° 正常な首:首は前へゆるやかなカーブ。耳が肩の真上にあり、頭の重さを骨で受け止めます。首への負担は約5kg相当(頭の傾き約0°)

首の負担は、頭の傾きごとの推定(Hansraj, 2014)をもとにした目安(頭の傾きは、正常な首を 0° としたときの角度)。首の形と痛みの強さは、いつも一致するわけではありません。

胸や腕の緊張が、肩を前へ引っぱる

キーボードやスマートフォンを使う時間が長いと、胸や腕の前側の筋肉が緊張したまま固まりやすくなります。前側が緊張すると、肩は前へ巻き込まれ、肩の後ろの筋肉は引きのばされたまま働き続けます。肩だけをもんでも、前から引っぱる力が残っていれば、また同じ状態に戻りやすいのです。

浅い呼吸も、首と肩を休ませない

緊張が続くと、呼吸は浅く速くなりがちです。胸が広がりにくいと、首や肩の筋肉が呼吸を手伝う割合が増えやすいといわれます。支える仕事と呼吸を手伝う仕事。首と肩は、二重に働いていることになります。

先に医療機関(整形外科など)へ行く目安

  • 手や腕のしびれ、力の入りにくさがある
  • これまでにない強い頭痛、急に始まった激しい頭痛がある
  • 胸の痛みや息苦しさ、冷や汗をともなう(すぐに119番を)
  • 発熱がある、転んだあとから痛む
  • 安静にしていても痛みが強くなる

4. Rooton では、こう進めます

Rooton では、肩をもみほぐすことから始めません。まず、どこが肩を引っぱっているのかを確かめます(この進め方を「ルートンテクニック」と呼んでいます)。

  1. 検査:姿勢、首と肩甲骨の動き、胸の広がり、腕の神経の状態などを確かめます。
  2. 前側をゆるめる:胸や腕、お腹の前側の緊張を、息を吐くリズムに合わせてゆるめます。
  3. 関節を整える:首と背中のつなぎ目、肩甲骨のまわりの関節の動きを整えます。
  4. 前後で同じ検査:施術の前と後で同じ検査をして、変化を一緒に確かめます。
  5. セルフケア:座り方や画面の位置など、仕事の合間にできることをお伝えします。

5. 仕事の合間にできること

画面の位置と、休み方

厚生労働省のガイドライン(※3)では、画面との距離はおおむね40cm以上、画面の上端は目の高さとほぼ同じかやや下、続けて作業するのは1時間までとし、次の作業までに10〜15分の休みをとる目安が示されています。

セルフケア(1分):胸をひらく呼吸

1. 椅子に浅めに座り、足の裏を床につけます。
2. 両手を鎖骨の下に軽く当てます。
3. 鼻からゆっくり吸い、手の下の胸がふくらむのを感じます。
4. 口から細く長く吐きながら、肩を耳から遠ざけるように力を抜きます。
5. これを5回くり返します。
※痛みやしびれが強くなるときは、すぐにやめてください。

6. 杉山から

肩こりは「いつものこと」と、がまんされている方が多い悩みです。けれど、肩を引っぱり続けている原因が分かると、ケアの仕方も変わります。もんでも戻るくり返しから抜け出したい方は、一度ご相談ください。

よくある質問

肩こりは、もんでもらえば楽になりますか?

もむと、その場は楽になることが多いです。ただ、肩を引っぱっている原因(胸や腕の緊張、頭の位置、浅い呼吸など)が残っていると、戻りやすくなります。原因を確かめて、そこから整えることが大切です。

肩こりで頭痛もするのですが、関係はありますか?

首や肩のこりと、頭の重さや締めつけられるような頭痛は、一緒に起こることがよくあります。ただし、これまでにない強い頭痛や、急に始まった激しい頭痛は、まず医療機関を受診してください。

どのくらいで変化を感じますか?

人によって違います。初回は施術の前後で同じ検査をして、変化を一緒に確かめます。そのうえで、あなたに合う通い方をご提案します。

参考にした資料

※1 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」(有訴者の症状別の状況)
※2 Hansraj KK. Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head. Surg Technol Int. 2014;25:277-279.
※3 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(2019年策定)

杉山 慶彦

この記事を書いた人

杉山 慶彦Yoshihiko Sugiyama, D.C.

WHO基準カイロプラクター。東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧RMIT大学カイロプラクティック学科日本校)卒業。JCR認定登録カイロプラクター(第2種)。臨床10年。12歳で第5腰椎分離症になり、骨折から20年、自分の身体と向き合ってきました。施術場所は、ACカイロプラクティック中目黒です。

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