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筋膜のつながり

骨盤のゆがみは、ソファーから始まる?筋膜のつながりで見る、股関節・お腹・首の関係

公開 2026.10.05約5分で読めます

この記事の要点

くつろぐ姿勢が、つながりを詰まらせる
ソファーで深く沈むほど、股関節の前は折りたたまれて詰まります。筋膜にシワがよったように固まり、股関節のまわりが過剰に緊張します。
お腹から首まで、前側はつながっている
股関節の緊張はお腹の筋肉を緊張させ、体の前側の筋膜のつながり(フロントライン)を通じて、首を前へ引っぱります。
「反り腰だから腰に力を」は逆効果になりやすい
前から引っぱられているのに腰で踏ん張ると、腰がさらに固まります。ゆるめたいのは、前側のつながりです。

1. 首のこりの原因が、ソファーにある?

「首や肩がこる」「骨盤がゆがんでいる気がする」「反り腰だと言われた」。一見ばらばらのお悩みですが、筋膜のつながりで見ると、一本の線でつながっていることがあります。

その入り口として私がよく見ているのが、意外にも「ソファーでのくつろぎ方」です。ふつうのブログや症例ではあまり語られない、体の前側のつながりのお話をします。

2. 筋膜のつながりで見ると、こう連鎖する

筋膜は、全身をつつむ1枚のタイツのようなものです。体の前側には、すねから太もも、お腹、胸、首へと続く筋膜のつながりがあり、「フロントライン」と呼ばれています(※1)。

筋膜の連鎖アニメーション(フロントライン) STEP 1 / 5
ソファーに深く沈み込んだ姿勢で、骨盤の後傾から股関節の前、お腹、胸、首の前側へと筋膜の緊張が連鎖する解剖図 ソファーで深く沈んだ姿勢と、体の前側の筋膜のつながり(5段階アニメーション) 1.骨盤が後ろへ倒れて沈む → 2.股関節の前の筋膜が詰まる → 3.お腹が緊張する → 4.胸が前へ引かれる → 5.首が前へ引っぱられ頭が前に出る連鎖。 骨盤がうしろへ倒れて沈む 股関節の前が折りたたまれ詰まる お腹の筋肉まで緊張が伝わる 胸から前側のつながりが下へ張る 頭が前へ引かれ首の後ろが支える STEP 1:ソファーに深く沈む 骨盤がうしろへ倒れ、股関節の前が折りたたまれます 1 2 3 4 5
  1. ソファーに深く沈む 骨盤がうしろへ倒れて沈むほど、股関節の前側は折りたたまれて詰まります。
  2. 股関節の前の筋膜にシワ 詰まった状態が続くと、筋膜にシワがよったように固まり、股関節のまわりが過剰に緊張します。
  3. お腹が緊張する 股関節の前の緊張は、つながっているお腹の筋肉(腹筋)まで緊張させます。
  4. 胸が前へ引かれる お腹から胸へ、前側のつながりがぴんと張ります。
  5. 首が前へ引っぱられる フロントラインが首を前へ引き、頭が前に出て、首と肩の後ろが支え続けます。
番号やボタンをタップすると、それぞれの段階を確かめられます。筋膜のつながりは杉山が施術で大切にしている見方で、実際の原因は検査でお一人ずつ確かめます。

3. 「反り腰だから腰に力を」が、腰を固める

体の前側が緊張して、骨盤が前に引かれていると、「反り腰」と言われることがあります。そこで多くの方が、腰に力を入れて姿勢を正そうとします。

けれど、前から引っぱられているのに、うしろの腰で踏ん張ると、腰の筋肉はさらに固まります。いわば、前後でつな引きをしている状態です。私は、骨盤がゆがみやすい背景には、このつな引きがあることが多いと考えています。

ゆるめたいのは、がんばっている腰ではなく、前から引っぱっている側です。

4. Rooton では、こう進めます

痛い場所や、ゆがんで見える場所だけを整えるのではなく、前側のつながりをたどって原因を探します(この進め方を「ルートンテクニック」と呼んでいます)。

  1. 検査:骨盤の傾き、股関節の前の動き、お腹と胸の緊張、首の位置を、つながりとして確かめます。
  2. 前側をゆるめる:股関節の前とお腹の筋膜を、息を吐くリズムに合わせてゆるめます。
  3. 関節を整える:骨盤と股関節、背骨、首と背中のつなぎ目を整えます。
  4. くつろぎ方を変える:ソファーでの座り方など、毎日の小さなクセを一緒に見直します。

5. 今日からできる、ソファーでの座り方

セルフケア:沈まない座り方

1. お尻を背もたれの奥まで入れて座ります。
2. 腰のうしろに、クッションを1つはさみます。
3. ひざより、腰(お尻)が少し高くなるようにします(座面が低いときはクッションを敷く)。
4. 30分に1回は立ち上がり、足を一歩うしろに引いて、股関節の前を軽くのばします。
※痛みやしびれが出るときは、すぐにやめてください。

先に医療機関へ行く目安

  • 足のしびれや力の入りにくさ、おしっこや便の出方の変化がある
  • 手のしびれ、これまでにない強い頭痛がある
  • 転んだあとから痛む、発熱がある

6. 杉山から

首のこりの原因が、毎晩のソファーにある。そう聞くと驚かれる方が多いのですが、体はつながっています。痛い場所だけを見ていては気づけない、体のつながりに気づくきっかけになればうれしいです。

よくある質問

骨盤のゆがみは、整えれば元に戻りますか?

骨盤の傾きは、まわりの筋膜や筋肉の緊張の影響を大きく受けます。前側の緊張をゆるめ、毎日の座り方を変えていくことで、楽な姿勢を保ちやすくなることが期待できます。

反り腰だと言われました。腹筋を鍛えたほうがいいですか?

お腹がすでに緊張して前から引っぱっている方は、先にゆるめるほうが楽になりやすいと考えています。どちらが合うかは、検査で確かめてからお伝えします。

ソファーは使わないほうがいいですか?

使って大丈夫です。深く沈みこまない座り方と、ときどき立ち上がって股関節の前をのばすことを意識してみてください。

参考にした資料

※1 Myers TW. Anatomy Trains: Myofascial Meridians for Manual Therapists and Movement Professionals. 4th ed. Elsevier; 2020.(スーパーフィシャル・フロント・ライン)

杉山 慶彦

この記事を書いた人

杉山 慶彦Yoshihiko Sugiyama, D.C.

WHO基準カイロプラクター。東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧RMIT大学カイロプラクティック学科日本校)卒業。JCR認定登録カイロプラクター(第2種)。臨床10年。12歳で第5腰椎分離症になり、骨折から20年、自分の身体と向き合ってきました。施術場所は、ACカイロプラクティック中目黒です。

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